LIBRARY

ライブラリー

ホーム > ライブラリ >  保護具のてびき > 安全帯に求められる機能とは?
安全帯に求められる機能とは?
 安全帯に求められる機能とは何でしょうか。
 一つは、万が一の墜落時に確実に阻止すること、もう一つは、その時に体が受ける傷害を極力少なくすること、つまりやさしく墜落を阻止することです。

 

1. 確実に落下を阻止する
 安全帯は、フックなどの金属部品と、胴ベルトやロープなど合成繊維からなる部品で構成されています。いずれも新品時には、厚生労働省「安全帯の規格」が定めている以上の強度を持っています。ところが合成繊維の部品は、金属部品に比べて使用中の経年劣化が激しいことが知られています。ナイロンロープは、水がかかると収縮しますし、使用中に紫外線や薬剤、塗料等からも影響を受けます。鋭利な角による損傷は、新品を使い始めたその日に受ける可能性も有ります。胴ベルトも、長い間にはD環取り付け部やバックルの咬合部などが傷みます。
上は使用中に縮んで太くなったランヤード。破断強度も規格を満たさないことが予想されます。
元は同じ長さ。

 従って、「確実に落下を阻止」するためには、まずロープ部が劣化や損傷していないことに、毎日注意を払うことが肝心です。そして、劣化や損傷を発見したら、速やかに新品と交換する必要があります。

2. やさしく墜落を阻止する
 やさしく墜落を阻止する方法として、まずハーネス型安全帯をご紹介します。平成14年4月に改正された「安全帯の規格」に、ハーネス型安全帯が盛り込まれました。従来の胴ベルト型安全帯では、墜落時に立ち姿勢から横吊り状態に身体が振られるため、墜落は阻止できても、内臓や脊髄に損傷を受ける可能性がありますが、ハーネス型安全帯では、墜落時に立ち姿勢で衝撃を受けるため、後遺症の残る可能性が低くなります。欧米では、ハーネス型のみが安全帯としての使用を認められています。
 もうひとつ、やさしく墜落を阻止するために、落下時の衝撃荷重を低く抑える方法があります。新「安全帯の規格」では、安全帯の落下衝撃吸収性の性能要件は『85kgの落下体をランヤード長さ(標準的には1.7m)落下させた時の衝撃荷重は8.0kN以下』と規定されています。ランヤード長さ落下させるということは、丁度腰の位置にフックを掛けた状態からの落下を想定したものです。次のグラフのように、たった50cm落下距離が長くなるだけで、衝撃荷重が大きくなることから、フックは腰の位置より高い位置に掛けなければなりません。
 一方、安全帯の性能により、衝撃を低く抑えることもできます。従来、主に巻取式安全帯で使われてきたショックアブソーバもその工夫の一つです。ショックアブソーバは、大きさ、質量、コスト等の要素と上記の「安全帯の規格」における性能要件とを勘案して設計されています。現行のショックアブソーバ付き安全帯では、85kgの落下体をランヤード長さ落下させた時の衝撃荷重は、概ね4kNから6kNとなっています。しかしながら、作業者の体重が重い場合や重い道具袋を装着している場合、落下距離が長い場合には、ショックアブソーバがエネルギを吸収しきれないこともあります。
     8ツ打ちナイロンロープを使った安全帯の衝撃荷重
          (85kgの砂のう落下時の衝撃荷重)

チェンジロープ安全帯
誰にでも簡単にロープの交換ができます。 使用中にロープが外れることは絶対にありません。
 平成14年6月、谷沢製作所では他社に先駆けて「チェンジロープ安全帯」を発売しました。チェンジロープ安全帯は、傷みやすいロープ部分のみを交換できますので安全で経済的、そして金属部品を使い捨てない環境にやさしい製品です。フックの形状も使いやすくしましたので、是非一度お試しください。
スーパーランヤード安全帯
 谷沢製作所が発売した「スーパーランヤード」は、性格の異なる2種類の糸(高伸度と高強度)を特殊な方法で織り上げたベルト状のロープで、ロープ自体に高い衝撃吸収性能を持つ製品です。

 85kgの落下体をランヤード長さ落下させた時の衝撃荷重は、約5.0kNとショックアブソーバと同程度であるだけなく、落下体が重い場合などの「過剰衝撃」時にも安定した性能を発揮します。本製品の性能について詳しく説明したビデオを用意しておりますので、全国の弊社営業所あてにご用命下さい。




          落下衝撃荷重の比較(測定時の衝撃波形)
                  (砂のう質量:85kg、落下高さ:2.2m)
 左側のグラフは、ショックアブソーバが衝撃を全て吸収出来なかった様子を示しています。

スーパーランヤードと従来型ロープ、ショックアブソーバ付き巻取り式安全帯の比較
(砂のう質量と落下高さによる違い)

 スーパーランヤードは、体重が重い場合や落下高さが大きい場合にも、安定した性能を示します(当社比)。