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保護帽の選び方(その1)
 保護帽の主な役割は、飛来落下物や墜落時、転倒時の頭部への衝撃を吸収して頭部の損傷を防ぐことにあります。

 

 保護帽は、帽体と呼ばれるシェル構造とハンモック、衝撃吸収ライナーなどの内装品が組み合わされて構成されておりますが、衝撃は単に帽体で吸収されるのではなく、両者が組み合わされた製品全体で総合的になされるため、より安全な保護帽を求めて、帽体や内装品の材質・構造についての絶え間ない研究開発がなされて参りました。また、保護帽の脱落を防止するあご紐の工夫も加えられています。

 一方保護帽のスタイルについては、かつてMP型や野球帽型など4、5種類しか無かったものが、今や多様な製品が販売され、使用されています。各メーカーとも、工業デザイナーを用いたりや三次元CADを使って、カッコよさを追求し、顧客の多様な嗜好に対応しております。さらに最近になって、装着性(被り易さ)や装着感(被り心地)に関して関心が高まり、製品は著しく進歩致しました。
 また、使用者のニーズに基づき、付加価値をつけた保護帽の開発がすすめられ、安全のためのお役にたっております。

 

 以下、最近の保護帽に盛り込まれた具体的な技術要件について、3回にわけて述べさせていただきます。

その1 材質・構造について
その2 スタイルやかぶり心地に関連して
その3 付加価値付き保護帽
その1 材質・構造について
保護帽の軽量化

 保護帽は、概ね帽体材質に応じて製品重量が定まります(プラスチック原料の比重に従う)。以前は、保護帽の重さというと400グラム代が主流でしたが、現在では素材の研究がすすみ、当社では300グラム前半の特殊FRPや特殊PC製の軽量帽を発売し、「かるメット」の名で皆さまにご好評をいただいております。さらに、製品重量で300グラムを切る「超かるメット」も販売しております。

内装品が外しやすいこと・外れにくいこと
保護帽に静荷重をかける実験

 保護帽は弾丸をはね飛ばす鉄兜と違って、衝撃を帽体、衝撃吸収ライナー、ハンモックの総体で吸収します。衝撃を受けると、最初にハンモックが伸び、次に帽体が変形したり割れることによって吸収するのです。いざという時に内装品が当初の性能を発揮するために、内装品交換が容易に行える必要があります。同時に被っている時には絶対に外れない構造が要求されますので、各社とも構造に工夫をこらしています。
 なお、日本ヘルメット工業会では、内装品交換を約1年ごとに行なうよう目安を設けております。

あご紐の工夫
 あご紐は、墜落時や転倒時に保護帽が頭部から脱落しないためのものです。装着性や装着感を損なわないようにしながら、脱落防止の効果を上げるために様々な工夫がなされています。特に、あお向けの体勢になりがちな墜落や転倒時の動きの特性から、前方方向への脱落について優先して対処する必要があります。
・ 耳紐の位置の工夫
 後ろの耳紐位置が後ろであるほど、保護帽は安定し、脱げにくくなります。
・ スウィングガードの開発
 耳紐を後方でクロスさせてあります。物理的に前方方向には脱げない構造で、装着性にも工夫がこらされています。
・ バックバンドの使用
 両耳紐の間に紐を渡し、脱げにくくする工夫です。主に電気工事業で用いられています。バックバンドは後付けすることができます。
・ あご紐と耳紐を固定
 以前は全ての保護帽に取られていた方法で、前方方向のみならず後方への脱落防止にも効果があります。但し、装着性、装着感に問題があり、保護帽の普及とともに用いられることが少なくなっています。
「スウィングガード」のマンガ

・・・・・→保護帽の選び方(その2)に続く