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「シールドメット」開発物語
第一世代・・・「面付保安帽」の誕生
 働く人を守る個人用安全保護具の1つ、「保護メガネ」は、作業中、思いがけず発生する飛来物や薬液の飛まつ、空気中に浮遊する粉じんから大切な眼を守ってくれます。

 

ST#133-DP-S

 「保護メガネ」は作業中、身の回りに置いておいて、使いたい時にはすぐに掛ける必要がありますが、そういう時に限って近くにないものです。まあいいか・・・が事故の元になります。「保護メガネ」をいつでも身近に置いておきたい、そんなニーズから保護帽に半面型シールド面を収納するアイディアが生まれました。
 初代のシールド面付き保護帽(ST#133)は、1966年、三井金属鉱業株式会社 神岡鉱業所様のご要望により作りました。鉱山ですので、頭部前面にランプホルダーの付いたヘルメットでした。1969年、保護メガネメーカーとの共願で実用新案が登録されています。「面付保安帽」という件名でした。

第二世代・・・ニュースタイルの発売
ST#101-EP-S

 このヘルメットは、限られたお客様用として販売を続けておりましたが、1990年代に入ってユーザー層が広がってきました。建設重機の修理工場で使われ始めたのもこの頃です。
 1995年、当時の最新スタイルで人気上昇中のST#101型にシールド面を装着し、面目を一新しました。この時、シールド面の材質をアセチロイドからポリカーボネートに変更して耐衝撃性能を向上させるとともに、シールド面を大きくして、顔の保護面を広げました。




第三世代・・・墜落時兼用型の発売
 ところで、1975年、労働省により新たに告示された「保護帽の規格」に基づき、ST#133型は「飛来落下物用保護帽」として検定を取得しました。衝撃吸収ライナーを入れるとシールド面の収納スペースがとれないことから、より安全な「墜落時兼用型」の検定取得は、断念せざるを得ませんでした。
 1990年代になると、労働基準監督署の方々の強い指導もあり、衝撃吸収ライナーの入った「墜落時兼用型保護帽」を使われる方が増えてきました。特に「墜落時兼用型保護帽をかぶらないと入場できない」という建設現場が増えて、 シールド面付きのヘルメットにも墜落時兼用型のニーズが急激に高まりました。
 1998年、帽体と衝撃吸収ライナーのわずかな隙間にシールド面を収納する工夫をして、ST#131型が完成、「墜落時兼用型保護帽」の労働省検定を取得しました。衝撃吸収ライナーに押されて、シールド面の動きがやや悪い製品でしたが、シールド面付きヘルメットの用途を広げる画期的な新製品でした。

ニーズの拡大と他社製品との競争
ST#141EZV-S

 2000年ごろ、木造住宅の建設現場で多発していた電動くぎ打ち工具による眼の事故の対策として、ST#131型が注目され始めました。いつでも使いたい時に身近にある、という点が評価されたのです。
 また、ヘルメットを頭に、ワンタッチでジャストフィットできる新開発ヘッドバンド「EPA」の採用により、かぶったヘルメットの安定性が格段に増し、使い勝手が飛躍的に良くなったことも、需要拡大の一因となりました。
 2000年度の販売個数は、前年度に対して3.4倍、さらに2001年度はひさし部分が透明のST#141V型をラインナップに加えて、4.6倍も伸びました。
 そんな市場の拡大を反映してか、2001年、初めて他のメーカーからシールド面付きヘルメットが発売されました。その製品の出現に呼応して、タニザワ製品に対し、「片手でシールド面を引き出せない」、「シールド面に傷が付きやすい」、「歪んで見えて危険」などの苦情や改良要望が多数寄せられ、早急な製品改良が迫られました。

第四世代・・・HGシールドの開発
 2001年秋から2002年の秋までは、当社にとって雌伏の1年でした。この間、当社技術陣が取り組んだのは、1つはシールド面の動きの向上であり、1つはシールド面の質的向上です。
 シールド面の動きは、根本的に機構設計をやり直し、試行錯誤の中からようやく光明が見えてきました。
 一方、シールド面自体の性能アップを図るため、それまでプラスチック板を曲げた加工品だったものから、メガネレンズと同じ射出成形品にすることにしました。
 HGシールドと名付けた新しいシールド面は、あるメガネメーカーの全面的な技術協力の下に開発され、歪みや表面強度で従来品とは比較にならない高性能を得ることに成功しました。
 下の写真は、新旧のシールドの歪みを視覚的に捉えるために、偏光フィルターを通して撮影したものです。写真左の従来品では虹色の帯が乱れて歪みが確認できるのに対して、写真右のHGシールドでは、虹が均等に広がり、歪みが少ないことがわかります。
  旧型シールド面                       新型HGシールド面

「シールドメットシリーズ」の発売
ST#177-SH
 2002年秋、新型HGシールド付きヘルメットに「シールドメット」の愛称を付け、5種類同時に発売しました。
 中でもトンネル用に用いられる全周つば付きヘルメットにシールド面を取り付けたST#177-SHは、強アルカリ性であるコンクリートの吹き付け作業時、眼や顔の保護に用いられて、さらに用途が広がりました。
  シールド面は半面ですが、防じんマスクと併用することにより、顔のほぼ前面を防御することができます。
   このように、1966年の発売以来、当社のシールド面付きヘルメットは少しずつ進化してきました。現在も、厳しい職場環境に負けない製品の完成を求めて、開発を進行中です。 最近、現場で眼の事故が多いとお聞きします。
 当社の「シールドメットシリーズ」が皆さんの安全のお役に立てることを願って止みません。