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「小さなタニザワオリジナル安全用品」開発物語

 谷沢製作所ではヘルメット、安全帯、換気用ビニール風管、簡易無線機「エコーメイト」を4本柱として製造・販売しておりますが、
その他にも、当社オリジナルのアイディア製品を数多く開発してきました。
 そのほとんどが、実際に仕事をされている方の要望に応えて新たに作ったり、改良したり、他の用途に使われていた新しい素材を転用して作った製品です。
 今回はそういったタニザワオリジナルの安全用品の中から、代表的なものをご紹介します。

 

◆ホイッスルホルダー

1-1.jpg 使い終わったホイッスルを、ヘルメットに取り付けた鞘(カバー)に収納する「ホイッスルホルダー」は、今や工事現場には無くてはならない製品になりました。発売以来、300万個以上販売し、ヘルメット以外では、当社最大のヒット商品だと思います。
 この製品は、昭和59年(1984年)にある総合建設会社からアイディアをいただき、製品化したものです。
 ホイッスルを使うときはするすると引き出し、使い終わったらスポっと元の鞘に戻ります。開発当初、巻き取り装置は汎用品がすぐに手に入ると楽観していましたが、案に相違して適当なものが見つからず、結局完全に一から作った経緯があります。
 難しかったのは、ひもを伸ばした状態で止める工夫です。いろいろと試行錯誤をしましたが、最終的にはコストを抑えるために、スリット付きの仕切りを鞘の中に設置する方法をとりました。ホイッスルを真下に引くとスリットにひもが挟まって止まります。反対に、引きながらホイッスルを体から少し遠ざけるとスリットからひもが外れ、巻き取られます。スムーズに動くようにするためにスリットの形状に工夫を凝らし、材質を吟味しました。
2-1.jpg 製品発売後に力を注いだのは、ヘルメットへの取付部品の改良です。発売当初はMP型ヘルメット用しか用意しておりませんでしたが、すぐに他のヘルメット形状に合わせた部品を作りました。また、この製品が広く普及して、他社製ヘルメットにも装着されることが多くなるに従って、より汎用性がある形状への変更が求められるようになりました。
 その後、何度か材質と形状を変更しましたが、平成18年に発売した現行品では、4通りの樹脂成形品となっています。他社製ヘルメットにも装着できる形状があるはずですので、お試し下さい。




◆耳栓ホルダー

3-1.jpg 「ホイッスルホルダー」のホイッスルを耳栓に置き換えたものが「耳栓ホルダー」です。
 耳栓はヘルメットの耳ひもに結び付けて使われる方が多く、衛生面からもホルダーへの収納は理に適ったものでしたが、残念ながら「ホイッスルホルダー」ほどは売れませんでした。
 発売から20年近く経った平成15年頃、ある製鉄会社より、汚れた耳栓の取替えができなくては採用できない、という要望が寄せられました。
 「売れない理由はこのためか」と気付いて、早速取り組んだのは、ひもと耳栓の接続方法の工夫です。試行錯誤の末にたどり着いたのは、ひもに付けた小球と耳栓に付けた樹脂リングの組み合わせでした。
 この小さな工夫で、新しい耳栓に簡単に取り替えることができるようになり、今や多くの工場や土木現場などでお使い頂けるようになりました。




◆工具ホルダー

4-1.jpg 工具の落下防止用具である「工具ホルダー」は、鳶職の方が使っていた工具落下防止用のひもを製品化したもので、昭和60年(1985年)の発売です。
 同用途の製品は他社からも販売されておりましたが、当社では特にワイヤーにこだわりました。工具は結構な質量があるため、いい加減なワイヤーでは、落としたときに切れてしまう可能性があるからです。このため高強度アラミド繊維ケブラーを芯に用いたカールコードを採用し、工具落下を想定した試験も重ねました。
 昭和63年に始まった明石海峡大橋の建設現場では、とても多くの方に使っていただきました。この現場はどの現場にも増して、絶対に下にモノを落とさないということが徹底されていたように思います。
 現在、家庭用品売り場でも似たような形状のとても安価な製品が売られていますが、これでは工具落下時の衝撃に到底耐えられません。折角の危険予防器具ですから、商品の選択時には充分に配慮して頂きたいと思います。
 なお、派生商品として、手首からひもを取って工具を取り付ける「リストホルダー」があります。これもある総合建設会社のアイディアを製品化したものです。




◆ワンダリング

5-1.jpg 「ワンダリング」は室内の高所作業時に安全帯のフックを掛けるため、天井の全ねじボルト用インサートナットにねじ込んで使用する、墜落防止用の金具です。
6-1.jpg 平成7年に当社が発売する前から、他社が同様の目的の商品を販売しておりましたが、ある設備会社から、(1)安全帯のランヤードの撚りで緩まない、(2)ねじ込みやすい、(3)フックが掛けやすい、という3点の改善要望を頂き、商品化に着手しました。
 この製品は、リング部とボルト部を簡単に合体・分離することができます。合体すると、両方を一体で回すことができ、反対に引っ張って両者を分けると、リングだけが回る仕組みになっています。従って、フックをリングに掛けて下に引っ張ると、リングだけが回転するため、安全帯のランヤードの撚りでボルトが緩むことがなく、安全に使うことができます。
 また、リングの径が大きいため、フックが掛けやすいだけでなく、ねじ込みやすくなっています。
 平成12年には、「ワンダリング」を取り付ける際の安全確保に、185センチまで伸ばせる専用の取り付け棒「ワンダクル」も作りました。是非併せてお使い下さい。




◆全ねじキャッチャー

7-1.jpg この製品は、室内の電気工事や空調工事の際に、安全帯のフックを天井から下がった全ねじボルトに掛けるための墜落防止用具です。平成17年に総合建設会社の設備部に勤務されている方のアイディアを製品化しました。
 開発中に他社が、同じ用途の製品を発売してしまいましたが、正真正銘の当社オリジナル商品です。
 この製品は高所で設置するため、片手で簡単に間違いなく取り付けられなければなりません。このため、クリップ型を採ることにしました。
 また、使用頻度が多い3分(W3/8)と4分(W1/2)の全ねじボルト両方に使うことができますが、製品上の3分と4分のメスねじの位置を工夫することにより、取り付け時にねじ径を自動的に識別することができるようにしました。このため、ねじ径をいちいち確認せずに設置することができます。
 平成19年、廉価で小型の3分専用製品も発売しました。また、メートルねじ対応品も特注で承っていますので、ご用命下さい。
 なお、この製品は、平成17年度の全国建設業労働災害防止大会において、安全衛生に係る顕彰作品に選ばれています。




◆最後に
 以上、当社が販売しているオリジナル製品の中の、ほんの一握りをご紹介しました。
 谷沢製作所はその名のとおり、職場の要望に沿った製品を開発し、製作することを業としている会社です。
 当社の既存技術が生かせるものだけでなく、全く新しい製品にも挑戦しますので、何なりとご相談下さいますようお願いします。