開発物語

ハーネス型安全帯のすすめ

平成14年、海外規格との整合性をとることを主眼に厚生労働省の 「安全帯の規格」が改訂され、ハーネス型安全帯が初めて規格に盛り込まれました。

 その後、国内の建設現場においても、従来から使われてきた一本つり専用の胴ベルト型安全帯(以下、胴ベルト型安全帯)に替えて、 ハーネス型安全帯の使用者が、次第に増えてきました。
 特に、外資系企業における工場等新・増設工事においては、施主の指示により、使用する安全帯は全てハーネス型に限定するという 現場もあります。欧米では安全帯といえばハーネス型安全帯を指し、胴ベルト型安全帯は万一の落下時に身体を安全に保持できない という理由で、使用を許されない国が多いようです。
 わが国においても、かつて「命綱」といわれた安全帯に対する要求が、墜落時に 一命だけは取り留めるということから、安全に命を守ることへと変わりつつあります。ここでは、胴ベルト型安全帯とハーネス型安全帯の墜落時の身体保持の違いから、ハーネス型安全帯の優位性を説明します。
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(特長1)宙吊りの姿勢が身体にやさしい

胴ベルト型安全帯で空中に吊られた経験のある方はいらっしゃるでしょうか。胴ベルト型安全帯で吊られると、腹部がベルトによって圧迫されるため、とても痛くて、数秒も我慢できません。また、ランヤードを取りつけるD環を腰ベルトの左または右に位置する方が多いようですが、その場合の宙吊り姿勢は著しく不自然になり、静荷重で吊られることすら辛い限りです。
「安全帯の規格」では、安全帯の落下衝撃吸収性の性能要件は『85kgの落下体をランヤード長さ(標準的には1.7m)落下させた時の衝撃荷重は8.0kN以下』と規定されていますが、たとえ8kN以下の衝撃荷重に抑えられ、一命だけは取り留めたとしても、内臓や脊髄を損傷する可能性が高いことは、一度吊られてみると容易に想像できます。
その点、ハーネス型安全帯で吊られてみますと、胴ベルト、肩ベルト、腿ベルトに荷重が分散されるために、特定の箇所が痛いということはありません。従って、命が助かった上に後遺症の残る可能性が低くなります。
このように、宙吊りの姿勢が身体にやさしい、ということが、ハーネス型安全帯の第一の長所となります。

胴ベルト型安全帯の宙吊り姿勢  ハーネス型安全帯の宙吊り姿勢

胴ベルト型安全帯の宙吊り姿勢  ハーネス型安全帯の宙吊り姿勢
(特長2)墜落時に頭部を守る

ハーネス型安全帯の第二の長所は、墜落時に立ち姿勢のままストンと真下に落ちるということです。これに対して胴ベルト型安全帯では、人間の頭部が重いことから、墜落しながら身体が横に倒れるため、 周囲の構造物に頭部が衝突する危険を生じます。さらに腰部を中心にくの字型に吊られますので、 身体は左右に大きく振幅し、周囲に衝突する危険が一層増します。70〜80kgの物が1m以上落下する際に生じる衝撃荷重は極めて大きく、それは保護帽の保護能力を超えていると言わざるを得ません (保護帽の性能試験では5kgの重りを保護帽に向かって1m落下させ、衝撃荷重を測定します)。
このように、墜落時の姿勢を維持することが、安全帯の要件としてたいへん重要であることが理解いただけると思います。

(特長3)スーパーランヤードのすすめ

さて、当社のハーネス型安全帯を使用している方の大多数が、ランヤードとしてロープ自体にショックアブソーバ 機能を有する当社独自の「スーパーランヤード」を選ばれています。
その他の種類のランヤード(巻き取り式やショックアブソーバ付きのランヤード)では背中で重いものがごろごろ して使い勝手が悪い、ということもありますが、スーパーランヤードはランヤード全体で衝撃を吸収するために、落下後の リバウンドが小さく、空中で身体が暴れ回りません。スーパーランヤードはハーネス型安全帯の特長を最大限に引き出すラ ンヤードと言うことができます。
また、体重が85kgを超える方でも安心してお使いいただけます。

是非一度、スーパーランヤードを採用した当社のハーネス型安全帯をお試しください。

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