1. 政策的要請への対応:エイジフレンドリーガイドラインと2026年問題
1-1. 高年齢労働者の安全確保が「努力義務」へ
我が国の労働環境は、少子高齢化の進展に伴い、60歳以上の高年齢労働者が死傷者数全体の約26%(2018年)を占めるなど、構造的な変化に直面しています。
高年齢労働者は豊富な知識と経験を持つ貴重な戦力ですが、加齢に伴う身体機能(視力、筋力、平衡感覚、反応速度)の低下により、労働災害の発生率が高く、一旦負傷すると休業が長期化しやすいという課題があります。
こうした背景から、厚生労働省は「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン:以下、AFG)」を策定しました。
【エイジフレンドリーガイドライン(厚生労働省)】
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000815416.pdf
労働安全衛生法の改正により、2026年4月から、すべての事業者に対してAFGに基づく措置を講じることが努力義務として課されます。事業者は、高年齢労働者がその特性に応じて安全かつ安心して働ける環境を整備することが、法令遵守および安全管理の観点から強く求められています。
【労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について(厚生労働省)】
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001497674.pdf
1-2. AFGが求める5つの柱と「職場環境の改善」
事業者は、AFGに基づき以下の5つの柱に沿った取組みを行うことが求められます。
- 安全衛生管理体制の確立
- 職場環境の改善(ハード面・ソフト面)
- 健康・体力の状況把握
- 把握した状況に応じた対応
- 安全衛生教育
この中でも、特に「2. 職場環境の改善」におけるハード面の対策(身体機能の低下を補う設備・装置の導入)は、個人の能力に関わらず環境側でリスクを低減できるため、優先度の高い取組みとされています。軽量な安全衛生保護具(以下、保護具)の採用は、このハード面対策の代表例であるパワーアシストスーツ等の導入に準ずる、具体的かつ有効な手段です。




